混ぜるな危険!次亜塩素酸ナトリウムと酸性洗剤の関係

「混ぜるな危険」
次亜塩素酸ナトリウムを含む洗剤と酸性の洗剤を混ぜると危険という、知っているようであまり認知されていないその関係を紹介します。

ここ次亜塩素酸ナトリウムのお話しになります。

 次亜塩素酸水について知りたい方は下のリンクからどうぞ

 

次亜塩素酸ナトリウムとは、
ハイターやカビキラーなどの漂白剤の主成分です。

塩素系漂白剤

と呼ばれるものです。

私が知る限りでは、一般に購入出来るものとしては最強の漂白作用をもっています。

とは言っても何を漂白するかによります。

金属のサビを漂白しようと思ってもできません。

鉄サビを除去したい場合は、キッチンの人工大理石のサビを取る方法を参考にして下さい。

ここからは、その危険性について説明をしていきます。

 

酸性のものを混ぜると危険

知っておいていただきたいことがあります。

塩素系の漂白剤というのがあります。

これは、次亜塩素酸ナトリウムを含む洗剤のことを指します。

読んでわかるように「塩素」という名がついています。
この塩素系の洗剤には必ず

まぜるな危険

と、目立つところに大きく赤く書いてあります。

こんな感じのものです。

見たことあるりますよね?

酸性の洗剤と

混ぜるなよコノヤロー!

と、メーカーは強く申しているわけでございます。

なぜ混ぜてはいけないのか?

次亜塩素酸ナトリウムは、中性から少しでも酸性に傾くと塩素ガスを発生します。

この塩素ガスを吸うと短時間で人を死に至らしめます。

pH7が中性です。

塩素ガスが発生するその数値はpH5。

pH5以下の酸性下になると急激に塩素ガスを発生するそうです。

塩酸とかクエン酸とかに限らず、塩素系の洗剤には酸性のもの絶対に混ぜてはいけません

注意書きがありますよね。

塩素系の洗剤には必ずこのように酸性の製品と混ぜないように注意喚起がしてあります。

酸性の洗剤は絶対に混ぜてはいけません。

混ぜていいのは水だけぐらいの認識で構いません。

例えばお酢を入れるとかクエン酸を入れるとかもダメですよ...

やらないとは思いますが。

覚えておいてください。

もし、ご家庭にあれば塩素系洗剤の成分を見てみましょう。

この写真は、泡スプレータイプの成分表です。

強アルカリの水酸化ナトリウムが0.8%含まれています。

水酸化ナトリウムは別名苛性ソーダです。

強いアルカリ性をもちハウスクリーニング業者さんは今でも使っている方は多いのではないでしょうか?

私は使っていませんが。

水酸化ナトリウムは、次亜塩素酸ナトリウムを強いアルカリ性に保つために入っています。

言い方を変えるとなるべく酸性に傾かせないために入っています。

漂白剤は、強いものでpH13くらいのものもあるようです。

そこに強い酸性の成分を加え、pH5以下にしてしまうと急激塩素ガスが発生し、死の危険が迫ることになります。

ところが最近ではその塩素系洗剤と酸性洗剤が、トイレ用洗剤として同じ棚に並んでいます。

ここからはそのトイレ用洗剤についてのお話になります。

 

近年増えた塩素系のトイレ用洗剤

トイレ用の洗剤はずいぶんと流れが変わってきました。

お店によってはトイレ用の酸性洗剤が置いていないところもあります。

酸性の洗剤で代表的なのがサンポールなどのトイレ用洗剤です。pHが1~2くらいです。

懐かしいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

若い方は知らない方がほとんどです。

私のような年配の方たちは10円玉が

「ほんとかよ!」

というくらいキレイになるCMを思い出すのではないでしょうか?

しかし、時代の流れでおしゃれなパッケージの別の洗剤に目がいくのは仕方のないことですよね。

サンポールも、もうちょっとおしゃれなフォルムに変えればいいのにと思います。

私は商売がらドラッグストアに行くことが多いのですが、不思議に思うことがあります。

トイレ用洗剤には、次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系の洗剤と、塩酸を含んだ酸性の洗剤があります。

これらの、混ぜるな危険の洗剤が同じ棚に並んでいるのは珍しくありません。

トイレ用洗剤として普通に同じ棚に並んでいます。

私はハウスクリーニング業者として洗剤を使用していますが、トイレのクリーニングに次亜塩素酸を含む塩素系洗剤の必要性をほとんど感じたことがありません。

酸性の洗剤は便器にかけたまま長く放置すると、便器表面の釉薬(ゆうやく)を焼いて痛める恐れがあると言う方もいます。

便器は陶器です。陶器の表面のつやつやした釉薬(ゆうやく)はガラス質で出来ています。

そのガラス質は塩酸では溶けません。その証拠に塩酸はガラス瓶に入れ販売されているものもあります。

塩酸がガラスを溶かすならガラス瓶には入れられないはずです。

便器の汚れのほとんどは、尿石と言われるカルシウム成分です。

黄色い尿石は塩酸やスルファミン酸(硫化アミド)など適正な酸性の成分で除去できます。

どうして塩素系洗剤が必要なのか全くわかりません。

ただでさえ
混ぜるな危険
と言われているのに、一般家庭のトイレに塩素系の洗剤と酸性の洗剤が置いてあったとしたら、それだけで危険性が高まります。

うっかり間違えて同時に、あるいは時間差で便器の中に入れるようなことがあったら大変なことになります。

例えば、塩素系で落ちないから酸性の洗剤を入れてみたとか、あり得る話しです。

メーカーさんに怒られそうですが、便器に関しては酸性洗剤を適正に扱えばそれで十分だと思います。

私は塩酸の成分を使っているのはトイレぐらいです。(知識や経験がない方は他のところには使わないほうがいいです。後悔することになります。)

人体から排出されたカルシウムに対してダイレクトに効くのはやはり塩酸だと今のところは判断しています。

便器はサンポールなどの酸性洗剤がベストだと思いますが、それ以外の便座やカバー、ウオシュレットなどは、酸性洗剤は使わない方がいいので、除菌シートなどでこまめに拭き掃除をすることが衛生的だと思います。

 

まとめ

先ほども触れましたがましたが、漂白剤は水酸化ナトリウムが入っているため強アルカリを保っています。

用途外ですが水酸化ナトリウムの作用で、塩素系漂白剤はタバコのヤニやちょっとした油汚れも分解してしまいます。

ワックスを塗った床に漂白剤を落として放置すると、そこだけ艶がなくなります。

強アルカリにより、ワックスを分解してしまうためです。

また、次亜塩素酸ナトリウムはウイルスなどの殺菌作用があるのはご存じの方も多いと思います。

手の消毒剤やプールなどにも利用されていますよね。

ただ、塩素系の漂白剤は扱いがとても難しく「ブリーチ」など薄めて使う洗剤を薄めないで使うと、呼吸が苦しくなったり、涙が出たり、せき込んでしまったりと非常に危険です。

絶対に原料の濃さのまま使用しないでくださいね!

テレビでやっていたとしても真似しないでください。

説明書の用法、希釈量を必ず守り、必ず換気を行い、そのうえで手袋やマスク、ゴーグルをするなど適切な対応を施して使用してください。

決して大げさな話しではありません。

洗浄効果の強い洗剤は、塩素系洗剤に限らず必ずと言っていいほど大きなリスクを伴います。

危険性をわかった上で安全な方法で使用しましょう。

-----
掃除の極み
スマイルクリーンなぎさ
山本



ハウスクリーニング 時間制
空室クリーニング