エコ洗剤とはどういう洗剤を指すのでしょうか?
私も実際よくわかりません。
エコ=エコロジーだから本来地球環境を考えたものではないでしょうか?
天然植物成分が原料と謳ったり、生分解性がと謳ったり定義がハッキリとしていないのが現状です。
様々な化学物質が添加された洗剤は地球環境に何か問題があるのでしょうか?
地球環境という大きなテーマでエコロジーを語るなら、製造の段階からエコロジーなのか?を考えないと無意味です。
いくら天然植物成分やオーガニックを名乗っても製造段階で環境に影響を与えるような成分を使用したり、工場の排水を適正に処理できていなければ何の意味もありません。
ですが消費者は商品の名前や成分だけを見て判断するしかありません。
本来は製造や販売する側が、製造段階でのエコロジーを同時に語らないとエコだか何だかわからない商品だと思います。
ではその洗剤を使用し分解された汚れと混ざって排水されたものは、どのようになるのでしょうか?
生活排水の処理方法については、大きく分けて2つあります。
浄化槽による処理と下水道による処理があります。
当然処理されない場合は排水路を通じて海や河川へ垂れ流しとなります。
浄化槽については、いずれ加筆させて頂きます。
比較的住宅が密集している地域に普及している下水道での排水処理について、横浜市環境創造局のサイトに明記されていました。
洗剤の下水処理での影響については色々と調べたのですが、石鹸派と合成洗剤派でお互いを否定しあう内容が多いのでやめました。
横浜市環境創造局のページを見ますと適量を守っていれば問題ないという見解です。
そういえば昔と比べれば、海や河川の水は随分ときれいになりましたよね。
洗剤も改善が進み、下水処理も拡充されたことが大きいと思います。
だからと言ってこのままで良いとは私は思いません。
やはり都市圏とそこから離れたところの水の透明度は明らかです。
環境の話しはここまでにします。
話しをもどして、エコ洗剤って何?ということですが、
ハッキリと言ってしまうと、消費者に良いイメージを与えるための原料を使った洗剤であるように思えてなりません。
みなさんエコ洗剤で検索してみて下さい。
何がエコなのか、なんだかよく分からないと思います。
定義がありませんから。売る側の都合の良い言葉になってしまっています。
肌にも環境にも優しいのに洗浄力が抜群みたいなことを書いていますが、下水処理や浄化槽での処理、垂れ流した時に汚れを分解した洗剤はどうなるか書いてあるでしょうか?
また、肌に優しいとありますが洗浄力が強い洗剤ほど肌には優しくありません。
わかりやすいところで、油を分解するものは石鹸だろうが合成洗剤だろうが素肌の油分を除去します。
私は水だけでも1日の作業で手が荒れるので、必ず手袋をします。石鹸や植物成分100%使用してもさらに荒れます。
ハウスクリーニング業者のエコ洗剤アピールに関しても非常に気になっていることがあります。
別にほっとけばいいのですが、消費者を誤解させるものが多いです。
不思議なことにエコ洗剤や植物洗剤をアピールしているもののほとんどが、アルカリ性の洗剤です。
アルカリ性の洗剤は、油汚れや固着したほこり、タバコのヤニ、ススなどの汚れを落とすための洗剤です。
みなさん、油汚れには困っている方は多いと思います。
しかし、このアルカリ性洗剤では水垢は落とせません。研磨剤入りのアルカリ洗剤は別ですが。
水垢はどのようなところにあるでしょうか?
シンク、お風呂、トイレ、洗面台
ほとんどのところですよね?
「当店は○○○のエコ洗剤(天然成分100%洗剤)を使用しています。赤ちゃんやペットのいるご家庭の方ご安心ください。」
ハウスクリーニング業者のページによく見るフレーズです。
アピールしている洗剤はほぼ全てアルカリ性洗剤です。
この洗剤で、水垢はまずとれません。とれたとしてもそれはこするパッド(スポンジや不織布などで出来たもの)の力で落ちています。
ひとつの洗剤だけで、家庭の全ての汚れは落とせません。無理です。
ということは、別の酸性洗剤を使用しています。その酸性洗剤は、天然植物成分でしょうか?おそらく全く違うと思います。
クエン酸やリンゴ酸は果実から抽出できるでしょうが、このような有機酸とよばれるものだけでは残念ながら水垢は落とせません。
一般の方がまず落とすことのできない強固な水垢を落とす酸性洗剤に関しては、まったく成分について表記がありません。
よく分からずに使用している感じが否めません。
水垢がある場所を細かく列記してみます。
お風呂
扉の枠下部(薄茶色の水垢)
扉の枠(白い水垢)
浴槽の上部(触るとざらざらする白い水垢)
蛇口(白やい水垢)
シャワーホースの(白い水垢)
壁(白い水垢や石鹸カス)
床(白や茶色、黒っぽい水垢もあり)
細かく書くとまだまだあります。
キッチン、洗面台
蛇口及びその周辺(白や茶色い水垢)
シンク上部と側面(白い水垢)
洗面ボウル(白や薄茶色の水垢)
シンクトップ(白や薄茶色の水垢)
トイレ
手洗いボウル(白や薄茶色の水垢)
蛇口(白い水垢や青サビ)
便器内部(尿石・白い水垢)
たくさんありますよね。
どうでしょう?みなさん困っていませんか?
もしかしてあの茶色いのも水垢だったの?という方もいるでしょう。
こういうところにハウスクリーニング業者が言うところの、
「安心・安全、天然成分100%」の洗剤はなんの役にも立ちません。
洗剤を気にされる方に知って欲しいのですが、100%安全な洗剤は存在しません。
ハウスクリーニング業者はそういったことを念頭において、汚水の処理や洗剤使用後の中和などに何より気を遣うべきだと思います。
ここまで読んで頂いた方は、何がいいのかわからなくなりますよね?
私は次のことに気を遣い場所ごとに洗剤を選定し使用しております。
1.住んでいる方への影響(万が一洗剤に触れたときに人体に影響の少ないもの)
2.素材への影響(素材が変色しないかなど)
3.自分自信への影響(可能な限り人体に影響のないもの)
4.汚水を排水した時の配管や浄化槽への影響(中和で解決されますが)
5.価格(高いものが良いわけではないので)
選ぶときの優先順位です。
製造業者から直接仕入れている洗剤もあり、成分の確認もします。
もちろん素手でも触ってみます。どれくらい触れ続けると変化があるかなど。
ですので素手では触れない苛性ソーダは一般家庭では現在使用しておりません(苛性ソーダは使い方が重要であって、全てが悪いとは思いません)。
これらのことは、定義のわからない言葉でアピールするよりも大切なことだと考えています。
エコ?天然成分100%?
それ、水垢を落とせますか?
-----
掃除の極み
スマイルクリーンなぎさ
山本